一昨日は、父の月命日。
山形のお寺さんには永代供養をお願いしている。
家ではお線香と季節のお菓子を供える。
8年前の今頃、父は入院中で、モルヒネを使い始めた頃だったか。
父の死後、父が夢に出てきたことは一度もない。
夢枕に立った・・・というような話を聞くと、
羨ましいような、何だか父らしいような。
母の介護で心も体もヨレヨレになって、全てを投げ出したいと
思っていた時期があった。
真夏の午後、私は踏切にいて、電車が過ぎるのをぼんやり見ていた。
このまま飛び込んで・・・とは思わなかったけど、
自分や家族はこの先どうなっていくのだろう、という心もとなさが
アスファルトからゆらゆら立ち上がる熱気に重なって、
自分もこのままとけてなくなっていくような感覚だった。
『お母さんのこと、よろしくな』 ※山形弁で。
天から、ではなく、心の中から、父の声が響いた。
スピリチュアル系はあまり得意ではないけれど、
直感で、これは父だな、と思った。
と同時に「え~、お母さんなのー」と突っ込みたくなった。
実はこの頃、夫も体調を崩していて、とにかくわが家は靄に包まれた状態だったので
私としては「お父さん、私を心配してよ!」という気持ちだったのだ。
でも、確かに。
父は、この世に思い残すことなく、後悔なく死んでいったと思うし、
私のことは心配してないだろうと思ってた。
そうか、お父さん、お母さんのことが心配だったんだな。
遺言めいたことは残さなかった父だが、
母を頼む、というのは私に伝えたかったのだ、きっと。
うん、わかったよ、お父さん。
と、心の中の父に返事をして、
私はしっかり地面を踏みしめて、線路を渡ったのだった。